一流ブランドとしての「和牛のホルモン」

投稿者: | 2017年8月24日

和牛のホルモン(内臓肉=もつ)は、産地でほとんど消費され、域外になかなか出回りません。すなわち、「捨てる部位」とされがちな和牛のホルモンは、たいへん貴重な食品なのです。

 

じつは、一般の市場に出回っている牛のホルモンは、外国産がほとんどなのです。これを裏付ける事件がありました。「和牛」としてネット上で販売されていた「牛もつ鍋セット」にブランド基準を満たさない牛の内臓肉(ホルモン)が混ざっていたとして、消費者庁は、製造元の食品卸会社と居酒屋に、景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を出しました。消費者庁によると、問題の食品は牛の内臓肉の袋詰めとだし汁、めんのセットなどです。食品卸会社が県内の食肉処理業者から内臓肉を仕入れて袋詰めし、「和牛ホルモン」と表示したシールを張ってある居酒屋に販売しました。この居酒屋が「日本一和牛ホルモンミックス」と表示して、ネット上でホルモンのセット商品を販売していました。

 

消費者庁から委任を受けた公正取引委員会が調査したところ、和牛以外の品種から取った内臓肉が混在していました。この事件は、「和牛のホルモン」と表示すれば、確実に売れることも意味します。なぜなら、和牛のホルモンは、内臓肉のくさみや脂(あぶら)っこさはなく、さっぱりとしているからです。したがって、くさみを取り除くためのコショウが不要なのです。